層別刈取法 〜広葉型とイネ科型〜

生産構造図

しんぞう先生

このグラフは「生産構造図」というグラフ。横軸に注目すると、上の横軸下の横軸の両方ともに項目と数字が入っている。そのせいで、このグラフが何を示しているのかが分かりにくくなっているね。

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いつもグラフが出てきたら縦軸と横軸に注目するようにしているけど、この生産構造図のグラフは、パッと見、とてもややこしく見えます。

かんぞうくん

しんぞう先生

この生産構造図のグラフは、通常よく見るグラフと違うんだよ。グラフの軸に注目してみて。今から説明します!

 

縦軸と横軸の項目に注目

縦軸・・・草丈(cm)

上の横軸・・・光の強さ(0~100の相対値)

下の横軸・・・同化器官(葉の重さ[g])、非同化器官(茎や花の重さ[g])

しんぞう先生

じっくりと「軸」が何を示しているのかを把握すれば、恐れることはない!

生産構造図の作り方

・植物体を層別に刈り取る。

2・ただし、一定の高さごとに照度を測りながら刈り取る。

・刈り取った各層の同化器官と非同化器官の重さを測る。

・そのデータをグラフに書き込んでいく。

しんぞう先生

この生産構造図の作り方を、層別刈取法というよ。

2つの生産構造図の見方

広葉型

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・・・幅広の葉が水平についている。

葉の位置・・・比較的高い所に葉がついている。

光の届き方・・・上層の葉は光がよく届くが、下層には光が届きにくい。

光合成・・・光が届くところでしか光合成ができないので、上層で行われる。

上層・・・同化器官(葉)が多い。

下層・・・非同化器官(茎)が多い。光が届きにくい所に葉を維持するのはエネルギー効率が悪いので、葉が少ない。

イネ科型

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・・・細長い葉が垂直に近い状態でついている。

葉の位置・・・下層にも葉がついている。

光の届き方・・・葉が細いので、下層にも光が届く。

光合成・・・中層や下層でも光合成が行われる。

上層・・・花がつく。

下層・・・中層や下層にも葉がつく。土台をしっかりと支えるために非同化器官も多い。

しんぞう先生

何度も言うけど、まずじっくりと「軸」が何を示しているのかを見よう。そして、グラフの形から植物の姿を想像してみよう!